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税理士コラム

値上げをためらう社長

先月、値上げの必要性・その効果についてお話しさせていただきましたが、この一か月でどうご決断されましたか?

え、まだ躊躇されているのですか?

なぜですか?
うん、うん、なるほど、受注量が減ることへの懸念がおありなのですね。
たしかに受注量が減る可能性は高いでしょうね。
それで粗利益額が減ってしまって、値上げが逆効果になってしまうのではないか?
そこが不安でいらっしゃるのですね。

では10%値上げによって販売数量が10%ダウンするケースをシミュレーションしましょう。
これでいまお感じの懸念を解消できるかどうかが分かります。

まず現状は、単価100で変動費が50ですから粗利益率は50%です。
そして販売数量100ですから、販売総額は10,000。粗利益額は5,000です。

この現状から販売単価10%アップして、販売数量が10%ダウンするというシミュレーションをします。

単価が110になり、変動費は50のままですから、粗利益額60で粗利益率が54.5%になりますよね。

そして販売総量が90に減りますので、110×90で売上高は9,900。
変動費は50×90で総額4,500、粗利益の総額は9,900-4,500=5,400となります。

いかがでしょうか?
社長がご懸念されているとおり、値上げすれば販売総量は減るでしょう。
そこで10%ダウンするものとしてシミュレーションしてみました。
それでこの結果です。

粗利益額はむしろ400増える

値上げしたからと言って、それが赤字に直結するわけではないのです。

そして販売数量が減るということは、社員たちの負担が減ります。
間接費・管理コストも減るでしょう。
粗利益までの数字には表れないプラス効果も見込めるわけです。

うちは販売先を一社に依存しているわけではないですので、特定の得意先の顔色をうかがう必要はありませんし、
あちらにとって上位の仕入先ですから、取引中止を心配する必要もないです。

ならば強気に堂々と値上げを要求すればいいのです。

原料代高騰など、値上げの理由。値上げの額やかけ率、いつの納品分から値上げするか具体的な日にち。などを文書にして、
担当者だけでなく社長も得意先に出向いてください。

値上げのお願いには、トップセールス効果を使う

そのほうが得意先も受け入れてくれやすいですからね。
メール連絡ではなく、直接、顔を合わせたほうがいいでしょう。

お客様が許してくれる最高の値段で売るのが正しい商売ですし、原価アップ・経費アップを受け入れざるを得ない社会状況が続いています。

これで値上げしなかったら、原料アップをただ泣いて受け入れるだけですから、つまり社員を泣かせるだけになってしまいます。
一番大切なうちの社員を守るためにも、値上げできるポジションを持っているうちの商品で堂々と値上げなさってください。

値上げは会社の中身の見直しも必要。

お客様へのあいさつなど、当たり前のレベルを上げて、値上げしても選んでくれる心情になってもらいたいですね。

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