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5年後の会社の姿

害虫駆除は地元の個人客をねらって

害虫駆除の会社を経営されている、職人かたぎの社長さん。人の嫌がる仕事をすすんで引き受けているのですから、本当にご立派です。

「社員にもっと給料を払ってあげたい。自分の給料は後まわしでもいい。」だなんて……。

とにかく売上をとる?

同業者団体からの依頼は、すべて引き受けています。その場合、売上金の入金は1~2月後。しかし社員さんや外注職人さんには、ほぼ現金払い。いわゆる「とっぱらい」をしてあげています。

ということは売上が増えれば増えるほど、入金と出金のタイムラグ、つまりサイト負けが増えるんです。

それでも、手もち資金があれば吸収できます。先払いできる余裕がある訳ですから。しかしその余裕がなければ、勘定あって銭たらずになってしまいます。

狙いを絞らずに、言われるままに

売上のルートをみると、けっこう多いです。

・自治体の入札
・個人のお宅
・農地・農家
・飲食店街
・ゴルフ場
・遊園地などのアミューズメント
・同業者のフォロー
・その他いろいろ

それはそれで良さそうな話ですけど、会社の規模からみて、ちょっとパワーが分散しすぎでは?

揚田 「売上のルートが多いですが、どんな営業活動をされていらっしゃるのですか?」

社長 「とくに何もしていない。来た話をすべて引き受けている。」

揚田 「ずいぶん遠いところにも行かれていますね。」

社長 「移動時間がかかってしまうと、そこだけで1日つぶれるわ。時間がもったいないとは思うんやけど、」

屏風と零細企業は広げすぎると倒れます。パワーが分散すると、すべてが弱くなります。どうやら、その典型的なパターンのようですね。

 

零細企業は広げすぎちゃダメ

揚田 「害虫駆除は、人が現地に行くことがすべてですから、エリアもお相手も広げすぎたら、かえってしんどくなりますよ。遠いところへ行けば、それだけで1日つぶれてしまって、たいした儲けにならない。しかも入金は2か月後。売上が増えても資金ショートしかねませんよ。」

社長 「でも、持ってこられた話をことわったら、売上が取れなくなると思ってな。」

揚田 「それなら、地元エリアでしっかり営業宣伝をしてください。そして個人宅や農地・雑木林にもっと営業してください。個人さんなら現金で払ってくれます。ペイペイにも加入しましょう。その方が個人さんも払いやすいですから。専門業者サイトにも登録しましょう。いまどきの個人客さんは、みなさんネットで検索しますから。」

ランチェスター、弱者の戦

社員が数人の零細企業。お客のところまで人間ごと向かうスタイル。これはもうランチェスターの超・接近戦。弱者の戦略そのものです。

エリアを絞って、相手を絞って、そこにエネルギーを集中して営業をする。

つまり、一点集中!

そのエリアとお客さま層においてシェア1位をねらう。現金とっぱらいの個人客さまが増えれば、資金繰りも支えられます。(いまどきの個人客はペイペイも必須)

社長 「わしは職人ひとすじやったから、営業をどうするかなんて分からんかったわ。でも口八丁なことをはできんぞ。」

揚田 「もちろんそれでいいんですよ。何ができるかをしっかり宣伝すればいいんです。地元のライバルさんよりもOOな良い技術がある、害虫駆除の実績がOOある、とかが大事ですから。むしろ口八丁なだけでは、リピーターが増えないお仕事じゃないですか。」

個人のリピートは、とても大事

地元で実績が増えていけば、口コミも広がっていきます。リピーターも増えます。

しかし今のように、広く薄くやっていく方針では口コミも広がりません。個人さんが、わざわざ遠い業者さんを探すとも思えない。

もう少しエリアを絞って、移動コストも減らして、そして個人さんへの営業を強くかけていく。

同業者団体からの依頼は、入金サイトやエリアなどの条件が良くなかったので、今後は無理には引き受けません。角が立たないように、ほどほどに付き合いながらね。

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