アメーバ経営とは故・稲盛和夫氏の経営手法です。
10人未満の小さな組織(アメーバ)をつくって、会社を中小企業の集合体にします。
日本航空の再建にも使われました。
アメーバ単位で採算をはかるため、社員たちが役割や責任を自覚します。
さらに時間あたりの採算もはかるので、改善度合いがはっきり示されます。社員が経営者のような意識を持つことで、市場の変化にも敏感になってくれます。
といったところが狙いですが……。
おそらく社員数300人以上でこそ。
経営者と社員の仕事は、明らかに違います。
・経営者の仕事は、方針を決定すること。(戦略)
・社員の仕事は、方針を実行すること。(戦術)
そしてアメーバは30以上あって、はじめて競争意識と相互協力関係の両方を持つことができます。
リテラシーの高い人が多い大企業社員のなかでも、評価の高い人がアメーバのトップにつきます。
社員が数十人の中小企業に「アメーバを作りましょう」と勧める人は、社員リテラシーや戦略と戦術の違いを踏まえていないような気がします。
アメーバが3つや4つでは、それぞれが勝手な行動をとりかねません。一匹狼な営業マンとその手下、みたいな。
そもそも会社の方針を社員が決めるようで、どうしますか??
中小企業は、ひとえに経営者の方針決定力しだい。
社員の進言を聞き入れて、方針を調整するのは構いませんが、最終決定をするのは、あくまでも経営者です。経営者が先頭に立って道を示すから、社員が頑張ります。
キングダムです。
特に100人隊・300人隊のころの飛信隊や、初期のえいせい大王は、中小企業の理想形だったと思います。
(そういう視点で読みなおすと面白いですよ)
アメーバと部門は、似て非なるもの。
中小企業は、部門別や営業社員別で採算を見るのが大切です。それはアメーバではありません。
経営者が決定した方針を、社員たちがどう実行したか。
それを見るのが部門別・営業社員別の採算です。
※内容はあくまで個人的見解です。ご了承ください。