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税理士コラム

小規模企業共済のメリット・デメリット

自前で積み立てる退職金

労働基準法で守られる会社員=雇われる側の人は、その職場のルールによって退職金が出ます。
(出ない職場もありますが……)

その一方で、個人事業主や中小企業の経営者は労働基準法に守られておらず、誰かから退職金がもらえるという立場ではありません。
そこで「自前で退職金を積み立てる」ルールを国が用意しました。
それがこの小規模企業共済。

読んで字のごとく小さな事業者さん向け。社会的に不安定な立場になりやすい人たちのための仕組みです。
月々の上限掛け金7万円です。

メリット

支払った全額が所得控除、つまり減税の対象となります。社会保険料や扶養控除と同じくです。

そして事業を引退されたときや65歳以降での解約など、一定のルールに基づいてお金を受け取れるときは多少の金利も付きます。

受け取ったお金は、退職金の枠で税金が掛かりうるのですが、退職金にかかる税金はかなりの優遇ルールがあります。
増税の話も出始めていますが、こっちの税金負担は気になさらなくてもいいくらいです。

毎年の事業の利益、所得税・住民税の見込み額がそれなりなら、差し引きした節税メリットは十分あります。


国の管理ですので、積み立てたお金が消えてなくなるリスクもありません。
(日本の法律上、倒産しない唯一の団体は「日本国」ですから)
いわば減税つき積立預金です。

これまで毎年しっかり利益を出してこられた高所得者さんなら、減税される額も多いので、加入する価値は高いですね。

ただし、無理はしないで。

長いお付き合いになるものですので、掛け金の設定は無理をなさらず、慎重に考えましょう。
資金算段がしんどくなって、短期間で解約すれば元本割れしてしまうリスクもありますからね。

年払いもできるので、利益の出そうな年になりそうな12月に最高84万円で加入することもできますが……、
あまり欲張らずに。

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