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5年後の会社の姿

営業が強すぎて赤字になった貸しビル仲介業

社長は営業バリバリさんで、5年前に先代からバトンタッチ。

その後、中堅社員が次々と退職。
そのかわりに未経験の若手社員を多く雇ったので、社員数は増加。
そして人件費の総額も増加。

営業ノルマを先代よりも厳しくして、ボーナスを廃止して歩合給システムを強化。
すると、かえって赤字傾向に。
若手社員に頑張ってもらおうと思ってシステムを変更したのですが、どうにも成果が出ません。

 

まずは資金ショートを回避する。

このままでは、あと2年で手元資金が足りなくなる計算です。
仲介業は、在庫負担がないので運転資金が少なくて済みますが、それだけに銀行としてはお金を貸す理由が乏しく、いままでは太いお付き合いがありませんでした。

しかし、いまはとにかく借りられるだけ借りて、体質転換までの時間稼ぎをすることが大事です。
会社は赤字が続いても倒産しませんが、資金ショートしたら倒産しますから。

 

若手社員への教育はどうされていますか?

社長「現場に出ることが最高の教育でしょう。だからガンガン行かせているんですよ。」

揚田「授業をせず教科書も渡さず、いきなり問題を解け。と言っているようなもんですよ。それでは間違いだらけになりますよ。」
「営業バリバリされてきた社長が、まさに教科書じゃないですか。若手社員を同席させて、手本を見せてあげてください。営業プレゼンの実践デモンストレーションも社内でやりましょう。」

社長「ひとりでこなせる営業先を2人や3人で行くのは、もったいないって思っていたんやけどなあ。」

揚田「そこは若手社員の教育を兼ねていますから。未経験の若手社員がひとりで出来ることなんて、いくらも無いです。何も出来なければ空振り。それこそもったいない話です。営業先からの信用も得られないまま、取れる契約も取り損なっていたかも知れませんよ。」

じゃあ、社員の給料を減らすのか?

けっしてそういう意味ではありません。
いま給料を減らすと、それ以上に社員のやる気が減ります。
しかし、歩合給てんこ盛りシステムをよろこぶ若手社員が、この時代にどれほどいるでしょうか?

この会社は、あまりにも歩合給が強すぎて、会社と社員の関係がハマっていません。
まるでフリー外注さんのような扱いでは、社員は、会社への気持ちが弱くなってしまいます。

どんな業種でも、生活に足りるだけの固定給は用意してほしいものです。

 

退職した中堅社員。残っている中堅社員。

2~3年前の売上が減り続けた時期は、中堅社員がどんどん退職しました。
良い数字を持っていて自信のある社員、そして社長の方針と合わない社員ほど退職したのでしょう。

ということは、いま残っている中堅社員さんでは、残念ながら若手社員の教育には足りません。
やっぱりここは、社長が若手社員を引っ張らないといけません。
基礎的な教育をしないまま歩合給をチラつかせても、まとはずれな単独行動をさせてしまうだけです。

そして決断

社長「若手社員への処遇と教育方法は考えなおすわ。ニンジン(歩合給)でムチを入れまくるのも、いまの若い子には向かないのかあ。」

揚田「若手社員には、まずは生活に足りる固定給を払ってあげましょう。成果については、賞与とたまの一時手当で報いてあげましょう。」
「社員教育は即効性がないので、ついつい手を抜いてしまいますが、とても大切ですよ。そこは社長がおられれば大丈夫です。研修コンサル会社さんも必要ないでしょう。」

 

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