若いころ、飲食店でアルバイトしていたときのこと。
店先の自転車を置くスペースで。
風であおられたのか、自転車がドミノ倒しになっていました。
来店されたお客さまからご指摘を受けます。
お客さま
「ちょっと、これ何とかしてよ。乗られへんやん。」
店先で起きることは、どんなことであってもフロントを担当するスタッフの責任です。
(責任を背負えるほどの時給をもらっていたかは、さておき。)
もちろん、倒れた自転車を立て直しますが、お客さまはイラつきながら見ているだけ。
自分の自転車が立ち直ると、すぐ荷物をカゴに入れます。
わたしは、ほかの自転車を立て直している途中でしたが、お客さまは一言もなく、さっさと出発されました。
ま、お客さまは「神様」ですからね。このくらいで文句は言えません。
生意気そうな神様
ご自分の自転車が奥まってしまい、取り出せなかったお客さま。わたしより若そうで、ちょっと生意気なルックス。
お客様
「おい。ほかの自転車、どけてくれへん?」
はい、もちろんです。
ほかの自転車をドミノ倒しにしないよう気をつけながら、ゆっくり動かしていきます。
すると、お客様は「なんやねん、もう。」と悪態をつきながらも、わたしと一緒に自転車を動かしてくれます。
この生意気そうな神様は、手伝ってくれました。
神様にも、いろいろな人がいます。