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税理士コラム

原価アップのときに必要な運転資金を計算する

資金決済には「サイト」がある

原価アップの時代は、もちろん仕入れ代金が増えます。
さらには売上代金も増えます。
そしてそのどちらにも「掛け〆」がありますので、資金が寝ているタイミングがあります。
これがサイトと呼ばれている部分です。


さらに、仕入れたもののうち、一定数は在庫という形でお金が寝てしまいます。
これも売上金・仕入代金が増えれば、それらと連動して増えます。

これらの資金負担が増加する分を手持ち資金でスムーズに吸収しなければいけません。

このあたりを社長さん・経理部長さんと話し込みました。

サイトの平均日数を調べる

まず売上入金サイトは、おおむね1か月でした。

新年度の計画した年商が2億7,000万円あまりとして、
それを12で割った2,250万円が売上債権の予想残高です。
今期末は2,070万円でしたので、およそ180万円の負担増加です。

在庫の「金額」が増える!

在庫はおおむね月商の2か月分ですので、年商2億7,000万円の2か月分。
単純計算で4,500万円の見込みです。
今期末は4,140万円でしたので、およそ360万円の負担増加。

数量は増えなくても金額が増えますから、これも計算に入れなければいけません。


掛け仕入れの金額増加はサイトの恩恵がある

仕入れサイトは一か月の後払いですので、新年度の見込み額は、今年度末の620万円×130%でおよそ800万円ですから、
差引きおよそ180万円の資金負担の減少です。


これら三つをプラスマイナスしますと、およそ360万円。
それだけの運転資金を増やしておかなければいけない計算です。

原価アップの時代は、収支計算よりも資金繰り計算のほうがズレやすいので、注意しなければいけません。

融資枠の残りがいくらあるか、を銀行に確認しておくのはもちろんですが、
こういった短期でまわっていく運転資金には、短期の借入金もあてやすいです

当座貸し越し設定もできるかどうか、銀行に聞いてみましょう。

 

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