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税理士コラム

銀行が、お金を貸した企業からの預金をのぞむ訳

銀行※にとって、貸したお金の利息は、もっとも大きな売上の柱です。(※「信用金庫」「信用組合」など他の金融機関も含みます。ご了承ください。)
いまは規制緩和でいろんな窓口業務ができるようになったので売上の柱も増えましたが、やはり銀行の本業はお金を貸すこと(融資)です。

ということは、金利が高いほどに利ざやも増えますが、業績のよい会社に貸すときは金利を低くします。ほかの銀行に持って行かれたら、元も子もないですからね。

ちなみに「元も子もない」という言葉は、金貸しの世界から生まれた言葉です。
よその金貸しに客を持っていかれる。貸したお金を客に踏み倒される。そんなことになったら、「元(元金)も子(利息)もなくなる」からです。

金利の価値があがる

たとえ業績のよい会社が相手でも、金利が低すぎるとビジネスとして割に合わなくなります。業績のよくない会社にお金を貸せば金利は高くとれますが、リスクも高くなります。
どちらにしても、ただ貸すだけではビジネスとして成立しにくい。

……ならどうするか。
お金を貸した会社からの「預金」をもとめます。
貸したお金が3000万円で金利が年2%。当座預金に2000万円あるとします。となると、この金利2%は、3000万円-2000万円=事実上1000万円にかかる金利、と評価されます。

契約上の金利はあくまで2%ですが、実質的には6%の価値がある金利となります。預金を持ってくれていれば、金利の価値があがるのです。

会社が倒産したとき

貸したお金が3000万円。当座預金に2000万円あるとします。もし今すぐ会社が倒産して、お金が貸し倒れても、銀行にとって正味の損失は1000万円で済みます。
もっとも倒産が近い会社は、すでに預金がないので、これは空論にちかいですが。

それでも、ふだんから預金してくれている会社と、ほかの銀行に預金をしている会社とでは評価は変わります。

ほかにもメリットがある

銀行口座を経費の決済で使ってくれれば、引き落とし手数料が入ります。売上の入金額や相手先が分かるのも安心材料です。
だから銀行は、お金を貸した会社には、なるべく多くの預金を持っておいてほしいのです。それも普通預金ではなく、預金利息ゼロの当座預金で。

会社としてもメリットはあります。
お金を貸してくれる銀行は、水道の蛇口みたいなものです。水が出ないと干上がります。タイミングよく水を足さないといけません。
(干上がる直前に頼んでも遅いですよ!)

貸してくれない銀行、担当者もつけてくれない銀行などに預金を持っていても仕方ありません。
よいお付き合いができそうな銀行と、ウインウインの関係を作っていきたいですね。

 

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